日報(シーズン3)

圧倒的な他律で自律。阿鼻叫喚のシーズン3。

字を早く、きれいに書きたい。

切実な願いである。

字をゆっくり書いても、きれいに書けない人間の悲しみは、字のきれいな人間には理解されない。

かつて、早く字を書ける友人に、「どうやったら、そんなにきれいに早く書けるんだい?」と聞いたところ、「いやいや、きれいじゃないでしょ」と言われた。

デブが痩せている人に、「いいねー、痩せてて」といったときに、「全然だよ。最近太っちゃってー」と言われたときの気持ちに近いだろう。

ことほどさように、立場の違う人間の気持ちを理解することは、きわめて困難なのである。

 

さて、人の気持ちを理解することはさておき、問題は、字である。

自分の書き散らした汚い字を見て、2つのアイデアが浮かんだ。

1.ゆっくり読める字を書く練習をする。

 ゆっくり書いても汚い字しかかけないのだから、早く書けばなおさらである。よって、まずよめる字をゆっくり書く練習をする。ゆっくりであれ読める字が書けるようになれば、早く書いた時の字の質も向上するだろうと期待して。

2.紙を左に45度回転させて書く。

 右利きの場合、字を書くときの腕の動き方は、およそ肘を中心にして円を描くようにして動く。それに伴いペン先は左下から右上へ動く。この人間の身体構造に由来する動きになるべく逆らわないよう、用紙を配置すべきではなかろうか?すなわち、文字を書きつける用紙は左に45度回転させて置くことがベストなのではなかろうか?という結論に達し、私は苦しみからの解放の予感に歓喜した。

 実際に、紙を左に45度回転させて字を書いてみたところ、有意な違いは認識できなかった。

 

認識できなかっただけで、違いはきっとある。

そう信じて今日を生きよう。

地道に練習しよう。